【千葉県】『地獄を覗いてきた!』鋸山 日本寺

5月某日。涼を求めて千葉県は房総半島、鋸山(のこぎりやま)に行ってきました。
鋸山は古くから房州石の産地として知られ、採石の跡がノコギリ状に見える事から鋸山と呼ばれています。曹洞宗の寺院である日本寺(にほんじ)があり、地獄のぞきや千五百羅漢、大仏などが有名です。広大な敷地内をくまなく見て回るのは中々大変ですが、木々に囲まれた落ち着いた雰囲気の中のんびりと歩いて良い気分転換になりました。

鋸山と日本寺

鋸山の前に訪れた半島最南端の野島埼灯台とビンゴバーガーの記事も合わせてどうぞ。
灯台見学を終えた後はそのまま北上し、鋸山の日本寺に向かいます。野島埼灯台から日本寺までは一般道を使って40km強、約1時間20分でした。

先述の通り、鋸山の名前は採石の跡がノコギリの様に見える事が由来となっています。山の本当の名前は乾坤山という。この山で採石される石は房州石と呼ばれ、江戸時代から昭和まで盛んに採石されていたそうです。特に明治期には横浜市・横須賀市の公共事業指定石材にもなり、街全体が石材産業で栄えました。房州石は横須賀軍港や横浜の港湾設備、東京湾要塞の資材、靖国神社や早稲田大学の構内などにも使われているとの事。

そして、この山の中にある曹洞宗の寺院である日本寺。鋸山一帯を境内とするこの寺院は725年に行基によって開山され(真偽は怪しいようだが・・・)、法相宗→天台宗→真言宗→曹洞宗と宗派の偏移を経ている。その歴史の中で隆盛と衰退を繰り返し、再興の折には源頼朝や足利尊氏の援助を受けた事もあるそう。石彫の大仏や千五百羅漢などが有名。

1939年に登山客の失火による山火事で仏像や本堂を焼失し、さらに第二次世界大戦で鋸山が軍の要塞として使われた事もあり、当時の復興支援者の死去などで復興が遅れ、今なお復興中という状態となっています。大仏や階段、幾つかの建築物の復興を経て、現在は本堂の復興が進められているところです。

日本寺への入り口は何箇所か存在します。非常に敷地が広いので、あらかじめどこから入るのか、敷地内の何を見て回るのかを決めておくと良いと思います。

日本寺へのアクセスには有料道路・ロープウェーなどの選択肢もありましたが、今回は下方の鋸山観光自動車道を利用し、東口管理所から出入りしました。上の地図で言うと、一番下の表参道エリアを除く全エリアを見て回ります。地図だとそうでも無いように見えますが、実際に現地に行ってみると中々道が入り組んでいてわかりにくいところでした。まぁ、案内看板がそこかしこにあるので何とかなるでしょうw

日本寺の基本情報(あくまで参考程度に) 公式Webサイト
Wikipedia(鋸山日本寺
Google maps

【住所】千葉県安房郡鋸南町元名184
【営業】年中無休、8:00〜17:00
【料金】大人600円、小人(4歳〜12歳)400円
【駐車場】有(無料)
【問合せ先】日本寺(電話 0470-55-1103)
【所要時間】約100分(※俺の場合)
【客層】若年者6割、高齢者4割、男女比5:5、単身者皆無

【個人的評価】3/5点
★★★★★:行かないと人生損してるレベル
★★★★☆:宿泊旅行の主目的になりうる
★★★☆☆:日帰り旅行の主目的になりうる
★★☆☆☆:宿泊/日帰り旅行の副目的になりうる
★☆☆☆☆:別件の用事で近くにあったら寄ってみたい
☆☆☆☆☆:可も無く不可も無く

というわけで早速日本寺を観光していきましょう!

▲駐車場から。ここを登ると東口管理所がある
▲こんな感じの案内看板が沢山設置されている

大黒堂

▲東口管理所前の階段から何か見えてきた
▲大黒天が祀られているそうだ

この中には、空海(弘法大師)が彫った大黒天が祀られているそうだ。残念ながら中はよく見えなかったが、見えたとしてもそれは御前立(本尊を模して作られ、本尊の代わりに配置される仏像)のようですね。
堂の脇には厄の字が抜かれた絵馬が沢山吊るされていました。

▲変わった絵馬

大仏

日本寺の名物その1。それ単体でwikipediaにページが作成されているくらいには有名みたい。

大仏広場に入った時は「うーんまぁこんなもんか」という程度の感想でしたが、間近に寄ってみるとやっぱり高さ31メートルというのはそれなりに迫力があります。昭和に再建されたものなのが少し残念です。最初に建造された時はさらに7メートル高かったそう。
ちなみに大仏というと、一般的には鎌倉大仏なんかが高い知名度を誇っていると思われます。屋内にある為一層大きく感じられる鎌倉大仏ですが、その大きさは実は13メートルに過ぎず、この大仏の半分以下だったりします。

大仏見学の次は大仏前参道を進んで羅漢エリアに向かいます。

千五百羅漢

▲鋸山中腹
▲このくらい緩い石段ばかりなら楽なんだが(意味深)
▲木陰が多くて涼しかったなぁ
▲弘法大師の護摩窟
▲護摩窟周辺の羅漢像たち
▲なんだか可愛らしいというと失礼かな?

山の中に無数に存在する羅漢像は、実に1,553体あるそうで、千五百羅漢と呼ばれています。羅漢というのは仏教用語の阿羅漢を略したもので、仏教における聖者を指す。この羅漢像達は、どれ一つとして同じ表情のものは無いと言われているそうです。

▲階段を登ると不動滝がある
▲宇宙人・・・?
▲この滝枯れてない?w

不動滝の案内板には「茫々たる宇宙人無数 幾箇の男児が是れ丈夫」と書いてあります。宇宙人、と読んでしまいましたが〜宇宙、人〜と区切るのでしょうねw
意味はなんとなくわかるようなわからないようなですが、多分この滝に打たれれば丈夫な男の子になれますよ的な感じでしょう。写真の上の方を見るとかろうじて水が垂れているのがわかると思いますが、これはもはや枯れているに等しいような・・・

▲階段を降りたり登ったりの繰り返し
▲あちらこちらに羅漢像があります
▲なんでそこだけ苔むしているのか・・・怖いよ>_<
▲維摩窟
▲薜蘿洞
▲首がもげていたりする
▲奥の院 無漏窟
▲海上家内安全。亀の首が・・・
▲無漏窟の門の奥に佇む
▲日牌堂
▲首がない(´Д⊂ヽ
▲下で支えてるのは何者なのかな

既にお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、羅漢像の中には首の無いものが沢山みられます。これは明治期の廃仏毀釈によって破壊されたものです。修復されたものもありますが、明らかに首に継ぎ目があってあとから載せられた首であることが一目瞭然のものが殆どです。

・・・ですが、この千五百羅漢の場合、首がもげている理由は他にもあるんだとか。先ほど書いたように、「一つとして同じ表情のものは無い」というのがその理由。どういう事かというと、「好きな人と同じ顔の頭を持ち帰って供養すると願いが叶う」という迷信があったらしいのです。なんともはや。

▲宝篋印塔

足場の悪い道もあります。雨の日なんかはぬかるんだりもするでしょうし、歩きやすい靴で来る事をオススメします。

▲ワイルドやな(;´Д`)
▲あせかき不動・・・
▲そんな顔するなよ・・・
▲百躰観音
▲なんともいえねえ
▲つぶさに見ていくと
▲色々な像があって結構面白い
▲通天関
▲天に通ずる関所だって
▲ふと足元を見たら・・・俺じゃないぞ!
▲西国観音

地獄のぞき

延々歩き続けて疲れて参りました!・・・と思ったら・・・

▲この一日で何段昇り降りしたんだろうか・・・
▲やっと頂まできたのか!?
▲ふおおおおおお!!!!
▲すげえええ!!!!
▲下の方は・・・
▲見下ろす場所によっては意外と近い場合もあるw
▲16時頃。もうちょい遅ければ綺麗な夕日が見られるのかな
▲青と緑のコントラストがいい
▲地獄のぞきを横からみたところ
▲地獄のぞきの後方にある高台から。絶景かな!!
▲採石の跡だね、これ。凄いなー
▲高台にはこういうところを登る必要がある
▲多分ベンチだと思う・・・
▲なんだかいい感じのベンチ
▲は〜。めっちゃ落ち着くわぁ

ふう。山頂からの眺めを満喫したあとは、きた道とは別の道から下っていきます。

百尺観音

落ち着いた木漏れ日の道を進みます。この道は採石の跡が色濃く残っており、そびえ立つ石壁や階段などが間近にみられます。なんだか古代遺跡みたいで、こういう雰囲気大好きですw

▲遺跡っぽい雰囲気が最高!!
▲地獄のぞきが伺える

百尺観音は1966年(昭和41年)山肌を削って作られたもので、その名前の通り百尺(10メートル強)の高さを誇ります。現在は交通安全の守り本尊とされていますが、もともとは第二次世界大戦の犠牲者と、東京湾周辺の陸海空の交通の犠牲者を供養するために作られたのだとか。

▲どうみても遺跡
▲何か彫ってあるけど読めない・・・
▲この石壁は石が切り出された跡。高い!
▲雰囲気が素敵すぎます

百尺観音の前にはベンチの設置された広場があり、ここでまったりしていたらいつの間にか時刻は16時45分になっていました。日本寺は17時までの開放なので、急いで残りをまわって駐車場まで戻らねばなりません。

中腹エリア

▲いそげいそげ
▲ε=ε=ε=┏( >_<)┛
▲通天窟
▲岩をくりぬいて作られてます
▲ひたすらすすむ
▲百躰不動
▲全く読めん
▲この先には復興中の本堂があって進めない
▲復興予定図を伝える看板も既に色あせている
▲青々とした紅葉。秋はさぞ綺麗なのでしょうね〜

先述の通り、日本寺は第二次世界大戦の頃から長い時間をかけて少しずつ復興を進めています。それ故、看板も色褪せてしまっていたりしてなんとも言えない雰囲気です。完全復興はいつになるのだろう?

▲源頼朝が植えたと伝えられる大蘇鉄
▲樹齢八百余年だって
▲達磨石。うーんよくわからんな
▲国指定重要文化財の釣り鐘
▲乾坤稲荷

鋸山の正式名称である乾坤山の名を冠する稲荷。荼枳尼天を祀るという。日本の稲荷信仰でよく崇められている神で、白狐にのる天女だそう。

▲薬師本殿
▲医王殿とは、薬師如来の事なんだそうだ
▲駐車場に戻ってきた!

ふう。駐車場に戻ってきたのはピッタリ17時。もう日本寺の開放時間は終了となる為、来た時(15時20分)には9割方埋まっていた駐車場もこの通りガラガラです。

鋸山 日本寺総括

いやぁ疲れました。野島崎灯台では、灯台登るだけだろ?と思っていたら周辺公園を散策する事になったし、この日本寺も想像以上に階段が多く、長い道を歩き続けたのでもうへとへとです。

観光客は案外若い人が多く、以前に世界最大級の大仏である牛久大仏を訪れた時もそうでしたが、自分の中の「宗教関連の観光地は高齢者が多そう」という勝手なイメージは払拭されつつあります。まぁ、山登りとまでは言わないまでも中々足腰をいじめることになるので本当に高齢だとちょっときついところかもしれません。

日本寺では多くの羅漢像や建築物もみられましたが、やはり一番印象に残っているのは地獄のぞき周辺から見渡す房総半島の眺望です。鋸山は海に近い位置に存在しているという事もあり、綺麗な海と樹海がよく見えて気持ちが良かったなぁ。頂上以外は基本的に木々のカーテンに覆われている為直射日光にさらされる事もなく、それなりに涼しさも感じられました。真夏はしりませんが、少なくともゴールデンウィークから初夏にかけては気持よく散策出来るところだと思います。

房総半島には色々と見どころもあるのでもっと他にもまわりたかったのですが、千葉県松戸市の自宅からの日帰りだと今回の野島埼灯台と日本寺の二箇所で一日使ってしまいました。他の場所はまたの機会という事にしましょう。

以上、鋸山 日本寺でした!